「行こう。父さん」 「あぁ」 荷物を片付けて、父も勢いよく馬に飛び乗った そして、真っ青な空を見上げて祈りを捧げる 「風よ。お守り下さい」 その言葉を聞いて、胸に手を当て目を閉じた 深く息を吸えば、胸いっぱいに清々しい空気が広がる 俺達の国の儀式―― どんな時も、風が俺達を守ってくれる どれだけ、あの風の国から離れようとも きっと―― そう信じて