この世のすべての美しさを纏った様な そんな女性 この光の国の 唯一無二の存在 美しい黄金に輝く髪を風になびかせて 凛とした姿で俺をじっと見つめる彼女 その隙間から見える ターコイズの瞳が、俺の心を狂わせる 〝――きっと姫様に恋をなさる――″ 以前、そう言ったグレイスの言葉を思い出す その言葉を耳元で鳴らして 強く瞳を閉じた もう会ってはいけないと 思って 【完】