My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ




そんな男を睨みつけながら、言葉を落とす



「教える必要はない」

「なんだとぉ!?」

「――死んでゆく者にはな」



ニッと小さく笑って、剣を弾こうとした

その時――





「きゃぁぁぁっ」

「リア!!」




女性の悲鳴が世界に響く

ハッとして隣を見ると、母親の元に向かって走る女の子が目に映る



小さな両手を前に突き出して

離れた所にいる母親の元へ駆け寄る少女




そして、その後を追う―――ガスパルの男