My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ



「ぎゃははっ、どっちも殺っちまおうぜ!」

「まずは父親からだぁっ!」




唾を撒き散らして、剣を振りかざしたガスパルの姿を横目に見た瞬間

女の子を後ろにかばい、剣を抜く




途端、甲高い金属音が辺りに響き

目の前で火花が散る




「ぎゃははっ、こいつ死ぬ気だぞ!」



ガチガチと金属が重なる音の前で、目を血走らせた男が俺を睨みつける

その姿をじっと見つめて、吐き捨てるように言葉を落とした




「それは、お前だ」

「――なにぃっ!?」




剣を交える男に小さくそう言って

勢いよく剣を弾き飛ばして、そのまま振りかざす