My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ



「おぉ~おぉ~。こんな所にガキがいるぞ」

「ぎゃははっ! じゃぁこいつは父親かぁ!?」

「見捨てて逃げちまえばいいのによぉ」




薄汚い声と共に、剣を持った男3人が現れた

その声の主を睨む様に顔を上げる



黒い衣で身を包んだ

この国の民とは正反対の者達

光を失った、闇の国の者





「殺されたくなかったら、そのガキ置いていきな」



すっと剣を俺と女の子の元にかざして

汚い笑顔を見せるガスパル



すると




「リア!」




空気を切る様な女性の悲鳴の様な声がして、チラリ横を見る

すると、大勢の民の中から1人の女性がこちらに駆け寄ろうとしているのが見えた