「きゃぁっ」
小さな手が俺の手から離れて、その体が地面に勢いよく倒れ込んだ
勢いよく振り返ると、女の子が地面に足を取られて転んでいた
それでも、その姿も人混みの中に一瞬で掻き消される
「ソフィア! ここで待ってろ!」
彼女にそう告げて、急いで駆け寄ろうとするが、人の波に押されて足止めされる
「クソっ」
何度も人にぶつかっては、脅えて地面に座り込む女の子の元まで駆ける
大きな瞳には溢れんばかりの涙が溜まっている
「大丈夫か!? おいで!」
やっとの事で女の子の元へ辿り着き
抱き上げようとした
その時―――



