My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ


俺の言葉を聞いて、視線を再び市場の中に戻した彼女

人の行き交う市場に目を釘づけにされている



大きなフードで隠れて、その表情は見受けられないけど

きっと感じている事は同じだと思う




しばらくして、ゆっくりと顔を上に上げた彼女



美しい瞳がキラキラと輝く

まるで、草原に落ちた雨露の様に



三日月を描いた唇が言葉を落とす事は無かったけど

その表情を見ただけで、何が言いたいかは分かった




その姿を見て、俺も優しく微笑み返した