My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ



「昔、よくここに来ていた」



思わず立ち止まり、目を細めてその滝を見つめていると

ソフィアが小さく、そう呟いた



隣に立つ彼女に視線を向けると、俺と同じ様に前を見つめる彼女がいた


ただ、真っ直ぐ

前を見つめている




「沢山のモノが失われ、消えた」

「――」

「だけど…変わらないモノもあったのだな」



大きな瞳を細めて、そう言うソフィア

ゆっくりとその瞳を閉じて、静かに息を吸った



その様子を隣でじっと見つめる

彼女の纏う温かい空気が心地いい



――そんな中で思う



失われたモノがどれだけあろうと

この場所が、彼女の心を満たすモノであってほしいと