My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ



最後の一段を強く蹴り上げると、ようやく視界がひらけた

それでも、その瞬間舞い込んできた太陽の光に一度目を強く閉じた



真っ赤に燃える瞼の裏で、心が躍る





「アレン」



美しく響くその声が耳に届いて、ゆっくりと瞳を開けた

一面に広がる色とりどりの花畑の上に立つ

美しい女性


そっと瞳を細めて、微笑んでいる




「――っ」




声が出なかった

あまりにその姿が美しくて、思わず目を細めた



夜の闇を纏わない彼女の姿は

まるで花畑に立つ天使そのもの



初めて会った時よりも

もっともっと美しくなった

もっともっと芳しくなった