「でも、行って大丈夫なのか?」 今まで行った事がないのなら、何か理由があるはずだ もちろん、グレイスの言っていた通り まだガスパルの残党が残っている 危険という不安は、ある。 それに余所者の俺が勝手に市場などに出掛けてもいいのだろうか? 「見てみたいのだ」 そんな俺の不安を消し去る様に、彼女の凛とした声が暗闇に伸びる その声に反応する様に、視線を彼女に向けた 強く輝く瞳がゆっくり細められる 美しい唇が弧を描く 「見てみたいのだ――この国を」 そう言って、夜空に輝く月を見上げた