「そのゼファーがここ最近力を付けて、多くの国を飲み込んでるのさ」
そう言って、口の端から零れた酒を真っ赤な舌でペロリと舐め取る彼女
そして、大きな瞳で俺をじっと見つめた
「悪い事は言わない。西へ行くのは止めな」
「あぁ。考えてみるよ」
胸の谷間を見せつけながら、面白い玩具でも見る様に俺を見つめる女性
潤った唇をペロリと赤い舌が何度も舐め取る
「あんた、いい男だね」
「――どうかな」
「上に部屋があるんだ。一緒にどうだい?」
甘い声を出して、俺を誘惑する女性
だが、残念ながら――そんな気分じゃない



