擦れそうな声が風に乗って消える 「――・・・姫は、1人じゃない」 一瞬訪れた静寂の中に、俺の声が響く 強く、真っ直ぐに 俺の言葉を聞いて、瞳をゆっくりと開けて俺を見上げたソフィア 揺れるターコイズの瞳は、美しく輝いている 「姫には…この国の民がいる」 「――」 「いつも姫を想っている」 それは綺麗事なんかじゃなく、本当の事 美しい森も 輝く川も 何もかも、レイア姫の為 彼女の笑顔を取り戻す為 民達が必死に取り戻したもの―――