綺麗だと思う

どこか愁いを帯びた、その姿までもが

とても




「誰かの為じゃなく。自分の為に」




揺れる自分の気持ちを抑える様に拳を握って、そう言う




――誰かの為に、何かの為に剣を取った彼女




でも今度は

自分の為に笑ってほしい

誰でもない、自分の為に



悲しみに満ちた彼女の心が、溶けます様に

失ってしまった笑顔を、取り戻せます様に





「本当―――変わった男だ」




そう言って

少しだけ、彼女は笑った