「ここから、もっと西へ行く」 「西へ? あ~止めときな。そっちは今、戦が起きてゲイル達がのさばってる」 俺の言葉を聞いて、眉間に皺を寄せながら 小さな顔の前で手を左右に振る女性 「それは本当か?」 「嘘は言わないよ。昨日西からこの国に入ってきた客から聞いた話だ」 俺の言葉に、若干不機嫌そうにそう言った彼女 考え込む俺を横目に、口の端から酒を零しながらゴクゴクと喉を潤している