「食べてはいけないっ!」 強く放った言葉の勢いで、バラバラと持っていた箱から真っ赤な果実が落ちる 美しい花畑に、真っ赤な果実がまるで血の様に点々と転がっていく そんな中でも、目の前の彼女の手をギュッと握って、その手を制す 食べたら死ぬだって―――? そんな事させない それよりも毒性があるなんて、グレイスは言ってなかった でも、それが本当なら これ以上食べたら――― 自分の考えに、冷や汗がタラリと背中に伝った その時 「――嘘だ」 静寂の中に響く、その声 え―――?