My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ




「レイズはな――」



真っ赤な果実に再び手を伸ばした彼女が

小さく、そう呟く



その声で現実に戻る




「その美味しさ故に、禁断の実とされているのだ」

「――禁断の実?」



一粒掴んで、それを口に運ばせ様とするソフィアに向かって首を傾げる



禁断の実?

どういう意味だ?



その意味が分からず、あぐねている俺をじっと見つめる彼女


そして言った