My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ



不思議そうに首を傾げる彼女の姿を見つめつつ

その箱をゆっくり開ける



真っ赤な果実が入った

その箱を




「今日の昼、森で摘んできたんだ」



中に入っている果実を一粒掴んで

ソフィアに差し出す


瑞々しい果実が、朝露を帯びた様に輝く




「レイズの実か」

「そう」

「――私に?」

「あぁ。とっても美味しかったから」



少しの間を置いた後、ソフィアが白い手を出して俺からレイズを受け取り

小さなその口に含ませた