My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ









「――ソフィア」



そっと、その名を呼ぶ

銀の世界で、静かに柔らかく



その声に反応して、ゆっくりと振り返る彼女

そして目が合った瞬間、たまらずニッコリ微笑んだ





「どうした?」



いつもと少し雰囲気が違っていたのか、彼女が首を傾げて近づいてきた俺に問う

そんな彼女にもう一度、深く微笑んで

隠し持ってきたモノを前に出す



繊細な模様が彫られた、美しい銀の小箱

グレイスが、わざわざ入れてくれた




「これは?」




月明かりに照らされて輝く箱を見て

更に首を傾げるソフィア

そんな俺を見上げる大きな瞳を見て、ニッコリと笑う