My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ



「まだまだだ」



すると、少し離れた所に腰かけたソフィアが、素っ気なくそう言う

そして小さく息を吐いて、立てかけてある剣に目を移した




その姿を見て、また思う


初めて会った時と変わらない

ふとした時に見せる、その寂しげな表情



何が彼女をそうさせるのか

何故、そんなに悲しそうに月を見上げるのか――




そんな彼女を横目に見つつ、言葉を投げかける




「この国の女性は皆、剣を持つのか?」

「――いや。」

「…俺の国では、男も女も関係なく剣を持つ」

「そうなのか?」



俺の言葉に驚いたのか、目を見開いて顔を上げたソフィア

その姿に、そっと微笑む



単純に、こっちを向いてくれた事が嬉しくて