「父さん。このまま真っ直ぐ西へ」 「あぁ。夕方にはマルスの国に着く」 「分かった。そこで宿を」 マルスはヴェントスから一番近い国 馬で駆けて、半日もかからない 小さな国だが、豪快な男の民が多く住み 酒場が街にひしめき合い 夜は毎夜賑っている 喧嘩っ早い所があるが 愉快で気さくな人達ばかりだ 「そこで情報を少し集めよう」 馬の走る音の上でそう叫ぶ 同じ意見なのか、父も小さく頷いて 馬の腹を蹴り、スピードを上げた