My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ



「ソフィア」



半ば駆け足で彼女の元に駆け寄り

その名を呼ぶ



すると、月を眺めていた彼女がゆっくりと視線をこちらに向けた


美しいターコイズの瞳が、細められる

俺の姿を見て、微かに




「走ってきたのか」

「あぁ」

「――なぜ?」



美しい小さな唇から零れる言葉

どこか感情が欠落したように、淡々と




「なぜって...」



零れた言葉は、酷く動揺していて

早く会いたくて。なんて素直に言えるほど

俺は大人じゃない




「――本当に来るか、心配だったから」

「私から言った話だ。来ないわけないだろう」



彼女の言葉に胸が高鳴る

その言葉1つ1つが、キラキラと輝く



まるで夜空に輝く、星の様に

光を放つ