「ウィスタリア家の長ってさ....どんな人?」
言葉を選んでいる余裕もなく
思った事を、そのまま口にした
そんな俺の言葉に、さすがに不審に思ったのか訝しげな顔をして俺を見つめるグレイス
茶色の瞳を微動だにせずに、俺を探る様に見る
しかし
「我が一族の長は、私の父上です」
「え…えぇっ!?」
目を見開いて驚いた俺を、今度こそ怪しく思ったのか
眉間に皺を寄せて、俺に詰め寄ってきたグレイス
「なぜ、そんなに驚かれるのです? 我が父上は立派な御方です!」
あ、そっちか。と思って、内心ホッとする
「いやいや! 違うんだ。グレイスの父上がどうとかじゃなくて!」
「では、何です?」
慌てふためく俺に、じっと目を離さずに見つめるグレイス
じりじりと俺との隙間を無くして詰め寄ってくる



