「――ねぇ。グレイス?」
「何でしょう? アレン様」
父の隅で花を活けているグレイスの顔を見ずに、問いかける
目を見て話すと、ボロがでそうで
そんな俺の姿を見て、首を傾げた彼女
瞬きを何度かして、俺の言葉を待っている
「『気』を送る事ができるのは、さ‥」
「はい」
「グレイスのいる、ウィスタリア家だけ?」
昨夜、彼女のやっていた事
あれは、確かに『気』を送っていた
以前、グレイスが俺に見せてくれたものと全く同じだった
それでもウィスタリア家ではないと、彼女は言った
だったら、彼女は何者なんだ?



