「そんな事――できるのか?」




突然降ってきた幸運に、半信半疑になる

きっと、ホリス達は俺達を国に帰すつもりはない

一生。



それに、父もまだ目覚めてはいない



でも、もしそんな事ができるのなら

このチャンスを逃さない訳にはいかない




「父は、まだ目覚めていない」

「――」

「帰る時は父と共にだ」




見下ろした彼女にそう言い放つ

ただ淡々と俺を見つめる彼女に


すると




「約束しよう――私に剣を教えてくれるな?」




揺るがない瞳で、彼女はハッキリとそう言った