「そなたに、頼みがある」 「頼み?」 思ってもみなかった言葉に、思わず首を傾げる 頼み? この国では何も持たない俺に、頼み? 首を傾げ続ける俺に、彼女は再び驚く事を言った 「剣を教えて欲しい」 「剣を?」 「もっと――強くなりたいのだ」 そう言って、ゆっくりと立ち上がった彼女 白い衣をなびかせて、俺の前で立ち止まった 「代わりに、そなたの望みを叶えてやろう」 「の..ぞみ?」 「――この国から出してやる」 突然放たれた言葉に、目を見開く 想像もしていなかったから