「――使える。これでも、王国の騎士だったから」
幼い頃から毎日訓練に明け暮れて
物心つく頃から剣を持っていた
――それが当たり前だと思っていた
そして、それがいつかは誇りになり
愛する国を守る事こそが、俺の使命になっていた
「騎士だった・・・」
それでも、自分の口から落ちた言葉に覇気はなかった
――騎士だった。
そう言った自分に、少し悲しく思う
もう戻れない。と諦めている様で
そんな俺の姿を何も言わずに、じっと見つめ続ける彼女
聞こえるのは、水の流れる微かな音だけ
少しの沈黙
じっとお互い見つめ合っている
そんな時、静寂を破ったのは彼女だった



