My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ



向かった先にあったのは

初めて会った、あの場所



美しいドーム型の建物

そこに添えられた椅子に、彼女は腰かけた





「そなた。剣が使えるのか」




コツンと大理石の上で足音を鳴らした俺に、静かにそう問いかけてくる彼女

じっと俺を逃がさない様に、見つめる



しかし、その表情からは何も見いだせない

感情をどこかに落としてしまった様な

それでもどこか、心が泣いている様な



そんな表情