「そなたも、ウィスタリア家の者か?」 その光景を見て、思わず問いかける 『気』をおくったのだと思ったから グレイスの話では、その力があるのは ウィスタリア家だけだと聞いたから 俺の言葉を聞いて、ゆっくりと瞳を開けた彼女 そして、俺の顔をじっと見つめて言葉を落とす 「違う」 「――でも..今」 瞳を揺らす俺を横目に、彼女はゆっくりと再び歩き出す 音もなく、優雅に その後ろを追う ただ