My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ




「教わったわけではない」




静かな空間に落ちた

彼女の小さな声




「騎士達の姿を見て、学んだ」




最後にそう言って、張りつめていた空気を解いた彼女


張っていた肩を下ろして

ゆっくり歩き出した




「強く、なりたかったのだ」




そして、ゆっくりとしゃがみこんで

さっきの組みあいで潰れた花にそっと手を近づけたと思ったら

そのまま、そっと瞳を閉じた




「―――」




すると、さっきまで萎れていた花が

ゆっくりと、開いた



まるで息を吹き返すように