My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ



突然現れた彼女に、再び言葉を詰まらせる

美しいその姿に、息もできなくなる



少し離れた場所に佇む彼女

背に広がる長い髪が、夜風に吹かれて舞う




じっと俺を見つめる、その瞳

月明かりに照らされて

以前見た時よりも、その姿に冷たさが残る



どこか危うく儚げで

あの日と変わらず雪の結晶の様に

触れたら消えてなくなってしまいそうだ





「言ったはずだ。ここに来てはいけない」





そんな俺の気持ちを無視して

彼女は言葉を落とす




まるで囁く様に、静かに



しかし、その表情は淡々としていて

まるで、俺なんか見えていない様だった