My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ



「――ハァ・・・」



緊張なのか、何なのか

心臓の動きが早い

息が上がる



目の前には、あの日と変わらない

美しい花畑が広がっていた



昼間の様に、花々の色は鮮やかには映らないが

優しい月明かりに照らされて、幻想的な景色が広がる



淡い期待を胸に、辺りを見回しながら

足を前に進める



そして、向かった先にあったのは

あのドーム型の小さな建物




彼女がいた、場所