My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ



光の閉ざされた階段を上る



グルグルと――

まるで迷路に迷い込むかの様に




階段を1段上るごとに、心臓が高鳴る

その度に彼女の姿が脳裏に浮かび

また俺の心を逸らせる



徐々に淡い銀の光が伸びてきて、頬を照らしだす



出口が近い



そして、最後の一段を強く蹴って

光の世界に飛び込んだ