目の前に広がる景色は、昼間の様に色に溢れたソレとは違う 森は黒に覆われ 月明かりに照らされた川だけが、目の前に広がっている 見えるのは、黒と銀だけ―― 何かを考えるわけでもなく、ただぼんやりとその景色を見ていると ゆっくり顔を照らす光が訪れた どこか優しい、明かり。 その先に視線を向けると 眩しいくらいの月が雲の割れ目から顔を出していた 「綺麗だ」 そう呟いて、ベットから抜け出して空を見上げる ベール越しに見ない月は、やはり一段と美しく 眩い金色に輝き世界を照らす