My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ



―――しばらくの静寂




そして、ゆっくりとその瞳を開けたグレイスに、微笑む




「ありがとう」

「よいのです」




きっと、『気』を送ってくれていたんだと思う

俺の知らないだけで、きっと毎日グレイスは父の容態を見に来てくれている

感謝してもしきれない





「ねぇ。グレイス」




微笑みながら、花を見つめるグレイスに話しかける

すると、首を傾げて俺を見つめてくる瞳




「レイア姫は...どんな人?」




真っ直ぐに瞳を見つめて、そう言った俺に

一瞬不思議そうな顔をしたグレイス



その表情を見て、しまった。と思う