その声が鼓膜を通って、俺の心を振動させる ビリビリと体が震える 言いようがない感情が体を覆って、再び言葉を無くす しかし、その声を聞いてゆっくりと現実に戻された 「そ..なたは?」 今にも雪の様に消えてしまいそうな彼女に、そう問いかける それでも、その表情を崩す事なく ただただ、真っ直ぐに俺を見つめる女性 そして 「ヴェントスの者か」 少しだけ、その瞳を細めて小さくそう呟いた彼女 美しい衣が、音も無く揺れる 輝く髪が頬を撫でている 宝石の様に輝く瞳が、俺を映している