My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ



目の前に現れた人が、果たして『人』なのかも分からなくなる


そう思ってしまうくらい

見たことも無いほど、美しい



思わず、その美しさに見入ってしまう



まるで女神の様に神々しく

それでいて、触れてしまったら壊れてしまいそうな

どこか儚い、その姿



そんな中、蜜を求める蝶の様に

無意識のうちに足が前に出る



音の無くなった世界の中に

花を踏みしめた音が鳴った



その音に反応するかの様に、ゆっくりとこちらに目を向けた女性



その瞬間、柔らかい風が再び吹いて

彼女の美しく長い金と銀の髪が宙に舞った