My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ



小回りで螺旋階段を上がっていく

俺の足音だけが、世界に響く



時折上から吹いてくる風の中に、あの甘い香りが混ざっている




「どこまで続くんだ?」



グルグルと同じ所を回っている錯覚に陥りそうになった時

突然、薄暗かった階段に一筋の光が漏れた



ここか。と思って、勢いよくその光の中に飛び込む




「――っ」




すると、薄暗かった世界が一変

痛いくらいの光が瞳に飛び込んできて、思わず強く目を閉じた



そして、ゆっくりと瞳を広げた瞬間

俺は息をするのも忘れた