小さな花を片手に、無心で足を前に進める
徐々に強くなる香り
咽かえる様な、甘い甘い――花の香り
アーチを描いた廊下を抜け
風が吹く方へ、ただただ足を進める
すると、目の前に現れたのは、小さな螺旋階段
窓のない、石畳の階段が上へと続いている
人1人入る事しかできない様な、そんな階段
一瞬躊躇したが、再び白い花が一つ足元に舞い降りてきて、おもむろにソレを拾い上げた
間違いない――この先から落ちてきた花だ
手元にあった花と、拾い上げた花が同じ事を確認して再び足を前に進める
元々好奇心の塊の様な俺
だけど、今回はまるで自分の足が自分の者じゃない様に軽かった
まるで体が、この先に行く事を求めている様だった



