My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ



残された俺は、ただただ噴水から流れる水を見つめる



温かい太陽の光を浴びて、輝く水

それと重なって、あの日目の前で散った

真っ赤な夜を思い浮かべる





「――運か..」




呟いて、自嘲的に笑う




父さんが倒れたのは、紛れも無く自分のせいだ

見張りをしていた俺の心の緩みが

父さんを、あんな姿にさせた



俺のせい――




そうと分かっているのに

どうしてか、あの瞳に抗いたかった

何もかも見透かす、あの瞳に

俺の本当の心を見られたくなかった



分かっている

そんな事、誰よりも分かっている



だから、彼だけには

俺の弱い部分を見られたくなかった




「全部、見抜かれてるのにな」




そう言って、また青い空を見上げた