My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ



「戦いを経験した者なら分かるでしょう?――様々なものが勝運を左右する、と」

「――では、そなたは運さえも味方にしたと?」

「どうでしょう。それは、神のみが知る――ですよ」



そう言って、ふっと息の下で笑った




お互い一歩も引かぬ、やり取り

じっと瞳を見つめ合い口を噤む



すると




「ホリス様」




どこからともなく聞こえた声

ふと目を声のした方へずらすと、ホリスの後ろに跪く男がいた



その男を横目で確認したホリスは、また俺に視線を戻して言った




「では、いつか見せてもらおう。数えきれない程のゲイルをも散らした、そなたの腕前を――」




最後にそう言い放つと、白の衣を翻して緑の上を歩いて行ったホリス



跪いていた男も、小さく俺に会釈した後

その背を追って、姿を消した