「では―――何故父上があの様な姿なのに、そなたは無傷なのだ?」
そう言って、ゆっくりと俺の周りを歩き始めたホリス
まるで俺を挑発する様なその行動に、胸の奥がチリチリと焼ける
音も無く歩き、再び俺の目の前で足を止めたホリス
そして、真っ直ぐに前を見つめる俺の瞳をじっと見つめた
「答えよ」
美しい、銀の髪を風になびかせたまま
俺の目を捕らえて離さないホリス
その瞳を見つめたまま、俺も言葉を落とす
「父は強き戦士だ」
「――」
「だが、無敵の戦士はこの世にはいない」
真っ直ぐにホリスの瞳を見つめながら
揺らがない様にそう言う



