枯れた木を甦らせる? 芽吹いた木の生長を助ける? そんな事ができるのか? 半信半疑な俺の顔を見て、ふと目に入った蕾の花にそっと手を触れたグレイス すると 「――っ」 まだ固い蕾だった花が、ゆっくりとその姿を開いた 一気に燃える様に咲いた花 その光景に、驚きのあまり声を失った 「花も同じ様に、こうやって『気』を送れば鮮やかに咲いてくれる」 「――」 「それらを守る事が、我らウィスタリア家の使命なのです」 そう言って、美しい瞳を細めて笑った