My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ



枯れた木を甦らせる?

芽吹いた木の生長を助ける?

そんな事ができるのか?



半信半疑な俺の顔を見て、ふと目に入った蕾の花にそっと手を触れたグレイス

すると




「――っ」




まだ固い蕾だった花が、ゆっくりとその姿を開いた

一気に燃える様に咲いた花



その光景に、驚きのあまり声を失った




「花も同じ様に、こうやって『気』を送れば鮮やかに咲いてくれる」

「――」

「それらを守る事が、我らウィスタリア家の使命なのです」




そう言って、美しい瞳を細めて笑った