◇ 「グレイス? 何してるんだ?」 白い石畳の上を歩いていると 隣を歩いていたグレイスが急に駆けだして 一本の木にそっと寄り添った すると、サワサワと柔らかい風が吹いて、辺りの緑が柔らかく揺れだす まるで彼女に寄り添う様に 「『気』を送っているのですよ」 すると、閉じていた瞳をゆっくり開けて そっと微笑んで、そう言ったグレイス