七不思議、七つ全てを知ってしまうと身に危険が訪れる。



「って言うけど、何が起こるんだろうね?」


放課後、北校舎を歩きながら仙道は言う。


楠木は答える気はないらしく、スタスタと歩く。



「楠木くんは冷たいなぁ。歩夢先輩はどう思う?」
「どうって…」


言われてもなぁ。


「呪われるとか?」
「何に?」
「そんなの知らない。」



と言うか、正直どうでもいい。

だってこのままいけば、いずれ分かることだろうし。


「今いくつまで知ってるの?」

今…
一つ目が血染めの音楽室
二つ目が壁男
三つ目が啜り泣く少女
四つ目が迷いの廊下


「四つだな。」
「――五つですよ。」


透かさず楠木の訂正が入る。


五つ?


「俺は四つしか知らない。」
「知ってるじゃないですか。ほら、あの階段です。」


階段……って、


「あの突き飛ばされたやつ?」
「そうです。地獄落ちの階段と言われています。ああ、ちゃんとあの後祓っときましたよ。」
「へぇ。」



と言うことは、あと二つか。