放課後、楠木は一人で俺を迎えに来た。


俺はキョロキョロと辺りを見回す。


「どうかしたんですか?」
「いや……仙道は一緒じゃないんだなって。」


楠木は目に見えて不機嫌になる。



「仙道……先輩が居ないと不満ですか?」
「いや、そういう訳じゃないけど」
「じゃあ良いじゃないですか。」



スタスタと楠木は北校舎へと歩き出してしまう。


俺は慌てて背中を追った。



仙道って何者なんだろうなぁ……。
いきなり現れて……。


……そういえば、この後輩も突然現れて。


俺はコイツについて、何も知らないじゃないか。



「なぁ、楠木の趣味って何?」
「趣味ですか?どうしてです?急に…」


後輩は怪訝な顔をする。