公園のベンチに座って、ひたすら沈黙。 聞きたいことはたくさんある。 話したいこともたくさんある。 けど、山崎くんが口を開くのをひたすら待つしかできない。 彼のことを知りたいし、彼を解りたい。 あたしのことを知ってほしいし、もっと彼の中で大きい存在になりたい。 そんなことばかりが頭を過る。 行動は起こせないのに。 「合格おめでと」 彼がやっと口を開いたのは、その一言だった。 顔を上げて彼を見ると、とびきりの笑顔。 差し出された手には、小さな飴玉が二つ。 「ありがと」