「藍莉」


私の声に振り返って、

私の名前を呼んだ彼はやっぱり綺麗で。


名前を呼んでくれただけで、

きゅーっと胸が痛くなった。


「はよ」

「おはようございます!あの、これ…」


おずおずと作ったお弁当を差し出す。


「おー!マジありがとな藍莉」


心なしか嬉しそうに微笑んで

そう言う先輩に、

本気で心臓が壊れるかと思った。


ううう。やばいやばいやばい。

かっこよすぎますよ先輩。


今の微笑み、電車にいた女のコたち

みんな見惚れてましたからね!