どくどくどく。

早い鼓動が自分の耳まで聞こえてくる。


ホームにいる人たちみんなに

聞こえるんじゃないかって思うくらい。


電車が止まったことにより、

あたしの鼓動はさらに早さを増す。


震える足で電車に乗り、先輩を探す。


…あ、いた。


一つ飛び抜けた綺麗な金ぱつの頭。

良すぎるスタイル。


目立っているから、すぐわかる。


「…橘先輩!」


話しかけるのに一瞬ためらったけど。

でも勇気を出して先輩の名前を呼んだ。