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そして昼休み
悠「...おい!朔!昼休みだぞ!」
という悠冴の声で目が覚めた
『...ん...』
ゆったりとした動作で起き上がって、首を左右にほぐすと、ポキッ、という軽い音が鳴った
...あー、首が痛ぇ
若干不機嫌になりながらも、あの手紙にあった中庭に行くために席を立った
悠「どこ行くんだ?」
不思議そうに聞いてきた悠冴に、
『...あー...、トイレ』
と言葉を濁しながら嘘を吐けば、何かを察したのか、
悠「おう!分かった。んじゃ先に食堂行ってるな」
と返ってきたから、まだだるい身体を引きずる様にして教室を出た
途中、歩きながらくぁっと我慢出来ずに欠伸を漏らせば、近くにいた女達が小さくキャーキャー言いながら見てきた
それに少し苛立ちを覚えたが、気にせず歩き続ける
ようやく中庭に足を踏み入れれば、もう既に朝の女の子が緊張した面持ちで待っていた
...やっぱりアレか
そう思いながら、
『...で?』
と、少し冷たく言葉を発した
それに少しビクッと肩を揺らした彼女だが、意を決した様に勢いよく顔を上げ、
「...ああ、あの!一目惚れしました!良かったら私と付き合ってください...!!」
...予想通り、告白された
でも、
『...気持ちは嬉しいけど、悪い、付き合えない。誰とも付き合う気はねぇんだ』
やんわり、そしてはっきりと、断る
俺の返事を聞いた彼女は、少し瞳に涙が滲んでいたが、
「...あ、...気持ち伝えられただけですっきりしました!ありがとうございました!」
振られたというのにお礼をいって、彼女は走り去っていった
そんな健気な彼女に、俺の心も少し傷む...
...訳もなく、ただただ面倒くせぇな、と思っただけだった
彼女の傷ついた顔を見ても、何の感情も湧いてこなかった
『...こーいう所が、冷めてんだろうな俺は』
ぽつり、そう呟き、自嘲気味に少し口角を上げ、俺も中庭を後にした

