記憶を失くしたわがまま彼♡






「………ん…」





目を開けると、白い天井が見えた。






あれ、私、どうしたんだっけ……






「大丈夫か?」






風斗くんだった。







そうだ、私、リレーの途中で倒れたんだった。






「リレーは⁇ごめんなさい‼︎私……」






「市川」





「本当にごめんなさい、私のせいで……」





「市川、」






ちょっと強めの口調で呼ばれた。






「そんな喋るとまた倒れる」






「でも、私のせいで……」





「お前のせいじゃねぇよ。」






私は、申し訳なさで、涙が溢れ出た。






「ご、めんなさ、い……」





すると、





ふわっと温かいものに包まれた。






「風斗、くん⁇」





そう、私は風斗くんに抱き締められていた。





「静かにしろ」





と言って私がな 泣き止むまで抱き締めていてくれた。





「ありがと、もう大丈夫だから………」





「………ねぇ…よ」






「え?」







「お前の泣いてる顔は見たくねぇよ」





「なんで…」






なんで、彼女でもないのにそんな優しい言葉かけてくれるの?







「なんか、お前を見てると大切な事を忘れている気がすんだよ……」






大切な、事……?






「なに、そ………」






なにそれ?





と言おうとした時






「うっ……」





突然風斗くんが頭を抑えて苦しそうにした。






「風斗くん⁇どうきたの、大丈夫⁈」






私は、ヤバイと思い、先生を呼んだ。





すぐに先生は救急車を呼んでくれた





私はそれを見ていて、不安で仕方がなかった。




先生が





「私は、一ノ瀬君に付き添うから」





といった時に咄嗟に






「私も行かせて下さい‼︎」





と言ってしまった____________